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ガキンッ
外見からは予想がつかない程硬かった。
美香は地面を蹴って後ろに跳んだ。
「かってぇっ!!」
剣を持ち直し、また相手めがけて突進していく。
そしてこんどは後ろにまわり背中らへんを斬ろうとするがこちらも硬かった。
「動き鈍いから楽勝だと思ったら硬くて刃こぼれしちゃうよ」
思わず1人で愚痴る美香を横目に冴香は次の策を考えていた。
「美香、もういちど突進いけ」
「命令形!?」
「はやくねぇ?」
反射的にツッこむとNGな顔をしたのでまたまた反射的に突進。
剣を今一度持ち直して頭上を裂くように振りかぶる。
その瞬間に剣から熱気を感じたが美香はおもいきり振り下ろしてやった。
するとそれほどではないが斬れていた。
「さすがに800℃ほどの熱に触れたら液体だって溶けるどころか蒸発するもんねぇ」
そう言った冴香の顔は悪代官よりも悪だった。
そしてさらに付け加えた。
「今はまだ始めだからせいぜい170℃くらいだとおもうからせいぜいのた打ち回れ♪」
ハッキリ言って「♪」をつけるセリフではない。
相手も斬られた頭を押さえて必死になって熱さをどうにかしようとのた打ち回っている。
美香も正直少し暑いのか顔から出来る限り離していた。
そして冴香は銃で相手めがけて放つ。それを相手は避けきれず当たる。
しかもあたった箇所から凍り始めている。
「それで頭冷やしなよっ」
美香がクスクスを笑う様はとてつもなく怖かったそうな。
「それじゃ、そろそろいいころだしいきますか」
剣を構え走り出す。
突破の手前でふりかぶり斜めに斬りおとした。
ベチャッと気持ち悪い音と共に倒れると再生しようとするが…。
「それじゃ、Good bye♪」
ダンダンダンダンッ
冴香が容赦なく頭を打ち抜き即死だったそうな。
「あ、あの」
そんな恐ろしい2人の後ろからか細い声が聞こえた。
「ありがとうございました…昴だけでなく私まで助けていただいて…」
未穂が据わりながらもお辞儀をした。
それにつられてなぜか2人までお辞儀をする様。
昴と呼ばれた少年も未穂に回復してもらったのかなんとか立てるまでになっていた。
でも昴は未穂みたいに素直ではないのかそっぽむいている。
3人で少し笑うと露骨に嫌そうな顔で3人を見た。
冴香が帰ろう、と言うと美香は軽々と未穂をお姫様抱っこをして先を行く。
冴香が昴をおぶろうとすると思い切り拒否られたので肩だけでも貸してやった。
美香が少し怪我しているのに対し冴香は傷1つついていない代わりに返り血がついていた。
「おかしい」
昴が呟いた。
冴香が間髪空けず「なにが」と聞き返す。
昴はあたりを警戒しながら話す。
「アレは人の姿をしていなかったから…心臓とか無いんじゃないかと思った。
だから頭を撃ち抜いただけでどうかと思ったんだ」
冴香が気付く。
人間じゃないから脳を打ち抜いても無意味なのではないか、という事に。
「くそっ!美香、コイツも一緒に持ってって!!」
冴香は昴を美香に渡すと猛ダッシュで戻っていった。
昴が何か言おうとしたが冴香はそれに気付かなかった。
「はぁっ、はぁっ」
先ほどの場所までもう少しのはずだ。
冴香が路地を右に曲がると先ほどの場所だった。
昴の予想は的中だった。
「おはようさん…んでもって今度は永久に眠れ」
先ほどより醜く、銃で撃ち抜いたところから変な液体さえ出ていた。
吐き気がしたがそんなことをしている暇はなかった。
相手が先制攻撃をしてきたから。
炎の弾を大量に飛ばしてきたからだ。
すかさず横に移動するが数が数だったので服の一部が少し燃えてしまった。
「チッ…壁を造ればよかったか…」
でも無駄に体力を消費するのは命取りだということぐらいわかる。
ゲームでいう…いや、これはゲームか。魔力みたいなモンもやっぱり制限があるんだ。
銃弾に魔力を込めて3発放ち、もう片方の銃からも3発放った。
相手は先ほどと同じ炎の弾を撃ってきた。
冴香の最初に撃った弾だけが氷の壁になって炎の弾を防いだ。
その時に氷なのでやはり熱が加わると溶ける。その溶けたところを別の銃弾が通過する。
そして相手の体に当たる。
1,2発目は炎で体を焼き、間があいて残り3発は当たるとそこから氷になる弾だ。
氷の銃弾は手足付近にあたり身動きがとれないようにした。
お前はそのまま凍り付いちまえ。
冴香は美香たちのもとへ戻ろうとした。
あと30分はゆうに保つからだ。
ドンっ
冴香の身体に鈍い衝撃が走った。
「けはっ…!」
そのまま前に倒れて動けなかった。
驚きの眼差しで相手を見ると片方の腕が自由になっていた。
「は、はずしたかぁ…」
現実世界でもエアガンなどをしていたので命中率は高いがまだ馴れていない銃をいきなり使うと外れるのも当たり前だった。
相手が新たにデカい炎の弾を作り始めた。
――あれ、もしかしてこのパターンだと
――殺される?
「あー…早速死ぬのはごめんなんだけどなぁ…」
動こうにも体が麻痺して動かない。
銃は前方の方に転がっている。
――…絶体絶命じゃん!!
4話 6話
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